「デッドウォーター」
(THE CURSE)
(1987年 アメリカ 99分)
お庭に落ちた隕石のせいで、
家畜も野菜もお母さんもみんなお化けに大変身。
舞台は田舎町のとある農家。
偏屈な親父とバカ息子(ともに不細工)、
後妻と連れ子の兄妹(全員美形)、
というちょっと複雑な家族構成(?)の一家です。
この家のお庭に隕石が落下。
中からドロンとした液体が溢れ出て地下水を汚染。
水の影響で先ず農園の作物や家畜が変質。
見た目新鮮そうなお野菜も、包丁で切ると腐汁が溢れ、
真っ赤なリンゴもかじると中は蛆虫で一杯。
家畜も狂暴化。
そしてお母さんの顔には特大の吹き出物が目立ち始め、
言動もおかしくなり、徐々に狂暴化。
しまいには相手かまわず襲いかかります。
その頃には皮膚も爛れ、化け物じみた姿に。
そんな状態の妻を親父は医者に診せようともず、
地下室に閉じ込めてしまいます。
農園の作物と水が異変の元凶と気付いた連れ子兄妹は、
町で水と食料を調達し難を逃れますが、
腐った作物を食い続けた親父とバカ息子は狂暴化。
連れ子兄妹に襲いかかります。
冒頭からバカ息子による連れ子いじめや、
美人妻と使用人の不倫などが描かれ、
何か観るの嫌だなあ、
なんて思い始めた途端、巨大な隕石が落下。
その後は怒涛の異常現象連発で凄い事になります。
キャベツを切ったらヘドロがはみ出し、
トマトは血を吹き、
かじったリンゴからは長い蛆虫の群れが。
もう一口かじっちゃったのに!
家畜の牛は生きたまま腐れ果て、
突然破裂して多量の蛆虫を撒き散らします。
その蛆虫まで凶暴化してる有り様。
美人のお母さんの変貌ぶりも悲惨です。
爛れた皮膚はやがて崩れ、
しまいには全身が腐ってドロドロと流れてゆきます。
開発による利権目当ての地元業者が
隕石の存在を揉み消したり、
世間体を気にした親父が妻を隠すなど、
エゴが事態を悪化させてゆく様も一応描かれています。
汚染された人や動植物が襲い掛かるホラーですが、
もともと軋みのある家庭が、
最悪の形で崩壊してゆくお話として見る事も可能。
無機物である家まで崩壊するのは象徴的?
個人的には、
「死霊のはらわた2」的な騒動を、
心霊現象抜きで描き切ってる点が興味深かったです。
ということで、ゾンビは水で汚染され変貌、凶暴化した人。
なので「死霊のはらわた」のようにバラバラにされても襲って来る、
なんてことはありません。
そのせいか、化け物を攻撃して破壊する描写が乏しく、
そこはちょっと残念でした。