ゾンビ映画作りの記録でございます。
早いもので1月ももう終わり。
今月の製作記録を残します。
もう日記じゃ無くて月記。
昨年中に主人公のアフレコ完了予定だったゾンビ映画、
暮れは多忙で手が着かず。年明けから再開。
少しずつ進行中。
何故少しずつ?
夜中にゾンビと戦うと、
壁一つ隔てた隣室で寝てる家族の安眠を妨害するからです。
現在ラストの大騒ぎバトルをアフレコ中。
この場面は主人公がコテンパンにやられる前半と、
猛反撃に転じる後半に分かれます。
既に前半は終了。後半を録音中。
先日、この前半部分の声を録音中、ハプニングが。
日曜日。家族サービスなどの後、
夕方からアフレコ作業に着手。
ドアや窓を閉め切って狭い部屋にこもり、
2重にカーテンを引いて簡単に防音。
最初は乗り切れずに結構なテーク数を重ねたものの、
だんだん調子が上がり順調に進行。
ついに最強ゾンビと遭遇する場面となりました。
絶叫せねばなりません。
劇中一番の大絶叫。
理性をかなぐり捨て、
思いっきり情けない感じで叫ぶ必要があります。
先ず「あわわわわ」って感じで怯え、
感極まり「ひえ~っ!」と絶叫、
そのまま情けない声で怯え続けます。
ここまで、途切れなく一息で。
テーク1。
失敗。押さえめな声に。
もっと思い切らなくちゃ。
映像の世界に入り込んで役になりきって。
テーク2。
かなりマシな感じに。
でもまだ理性を捨て切れてない声。
テーク3。
「ひえええええ~っ!!!!!」
おおっ!かなり良い。
でも残念。声が続かず、映像に対して若干尺が足りない。
次で決めないと。
咽喉がヤバイ。
テーク4。
「あわわわわわ」は完璧にシンクロ。
続いて「ひえ~っ!」
これもバッチリ!
あとはそのまま怯え続けるだけ。
と、そこでいきなり部屋のドアが開き、
「そんな声出すんなら家で録音するのやめて」
と妻。
「近所迷惑。凄い声だよ」
突然の事に声も出ませんでした。
しばし茫然。
録音した音を再生してみると、
当然ながら途中から苦情の声が被り使えません。
それが無ければ多分OKテークだったはず。
気付けば重く暗い気分。
続きの作業をする気は完璧に失せ、
じわじわと怒りが込み上げてきました。
目の前の床を突き破って突然最強ゾンビが現れたら、
凄い声の一つも出るだろが!
私は妻に言いました。
「家で録音しちゃダメなのか?」
「今までは目をつむってきたけど、今日のは凄かったから」
「じゃあ、どこでやればいい?スタジオ代なんて無いぞ。
映画を完成させるなって言うのか?」
「通報されてもいいの?」
「警察が来たら事情を説明して、ご近所には私から謝っておきます、
とでも言っときゃ済む話だ」
「じゃあ、もっと声を押さえるとか」
「映像では大絶叫なのに声だけ控えめ、映画ってそれでいいのか?」
「(溜息)じゃあ、いいよ。続ければ」
「今日はもうやる気も失せた。せっかく調子良かったのに・・・」
せめてあと10秒待ってくれればあのくだりは無事終了だったのに。
こんな感じで肩身は狭いですが、
家族が寝る前に無理矢理セリフ1つか2つ録るなどして、
地道に、毎日少しでも前へ進むようにしてます。
製作開始からあまりにも時間が経ち過ぎまして、
周囲は「どうせ永遠に完成しないんでしょ」モード。
色々な間違いが重なりまくり、こんな状況になってますが、
一つだけ確信を持って言えるのは、
絶対に完成させなければ、自分の人生にとって大きなマイナス、
ということ。
諦めた時点で壊れそうですよ。私。