「ゾンビ・サーガ 死霊のいけにえ」
(VOODOO DAWN)
(1989年 アメリカ 83分)
地味。
週末の旅行で南部を訪れたニューヨークの男子大学生2人。
現地で落ち合うはずだった友人は行方不明。
大学生コンビはその友人の恋人と合流、
3人で女性呪術師のもとを訪ねます。
呪術師の話では邪悪なヴードゥー教の司祭が、
人を殺して死体のパーツを繋ぎ合わせ、
恐ろしい怪物を造ろうとしているとのこと。
地元の農民らを次々に惨殺する悪の司祭。
ナタを振るい、腕やら脚やら、切り取って持ち去ります。
主役3人組は決起した農民らと共に、
邪悪な司祭の自宅へ押しかけます。
虚ろな眼つきのゾンビ達が周囲を守る司祭宅。
玄関から悪の司祭が登場しますが、
庭へ一歩踏み出た所で獣用の罠に足を挟まれ、
身動き不可能に。
この機を逃すかと皆で突撃しますが、
この司祭、結構な力持ち。
念力なども使うので大苦戦します。
続いて家の中から行方不明だった友人が登場。
恋人に襲い掛かります。
よく見れば体のパーツはツギハギされた別人の物。
ツギハギ・ゾンビです。
更にそのツギハギボディを突き破り体内から最終形態のお化けが・・・
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のお話をロメロと共に書いた、
ジョン・ラッソ脚本のゾンビ映画。
人喰いゾンビの新時代を築いた「ナイト・オブ~」とはうって変わり、
本作で描かれるのは呪術で甦るヴードゥー教のゾンビ。
このジャンルの大家となった旧友ロメロとは違う、
作家としての独自性を打ち出そうとしたのでしょうか?
タイトルに「DAWN」が含まれるあたり、
いかにもそれっぽいです。
結果としては、暗くて退屈な作品となってしまいました。
全編に渡り、陰鬱で不気味なムードが漂うものの、
ストーリーに起伏が少なく、派手な残酷描写も無し。
ゾンビの人喰いも無いので、物足りない印象は否めません。
前半、司祭の家を守るゾンビに主人公が噛まれ、
どんどん具合が悪くなるので、
ゾンビ化かな?
と期待させますが、呪術師の治療で回復してしまいガッカリ。
人も喰わずウロウロしてるだけのヴードゥー・ゾンビに魅力は無く、
マッチョな司祭が人を斬り殺すだけの映画になってしまいました。
ちなみに司祭を演じるのは、
リメーク版「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記」
での好演が光ったトニー・トッドですが、
今回は一言もセリフがありませんでした。
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