限定ゾンビ空間を創造する! | 地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

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「地獄の血みどろマッスルビルダー」監督・深沢真一によるホラー映画雑学&雑談ブログ!

限定ゾンビ空間を創造する!


マッスルスチール24
 迷走中の拙作より。

 家から出られず、ゾンビも現れるし弱ったなあ、の2人。

 

「女子競泳反乱軍」なるゾンビ映画を観みました。
舞台は女子校。
学校の敷地内限定、小規模ゾンビパニックです。
怪しげな予防接種により生徒教師皆さん仲良くゾンビ化。
部室へ逃げ込む競泳部の女の子達。
別にゾンビの群れに取り囲まれてるわけでもなく、
何で外へ逃げないの?
何で携帯で助けを呼ばないの?

といった疑問が普通にわきました。
夜中になり生徒が一人も帰宅しないのに、
騒ぎにならないのも不自然。

 

かようにゾンビパニックのための限定空間を設定するのは、
けっこう厄介だったりするんです。

 

ロメロの「ゾンビ」に代表される、
渡る世間はゾンビばかり!

な状況下のお話ならいいんですが、
もっともっと小規模なパニックを描きたい場合、
ゾンビ現象から逃れられない状況を作る必要があります。

 

その方が面白く演出しやすいと思います。

 

よくインディーズ系のゾンビ映画で、
広い野原の真ん中で数人のゾンビに人が喰い殺される、
なんて場面を見かけますが、
囲まれる前に気づくだろう、
仮に囲まれても走って逃げりゃいいじゃん、

なんて思ってしまいます。

 

大規模なパニックをせこく描くくらいなら、
空間を限定して小さなパニックをしっかり描く方が良いでしょう。

 

いろんな状況が考えられますが、
過去の小規模~中規模パニック・ゾンビ映画では
どんな設定が用いられていたのでしょう?

 

「サンゲリア」
島!
海に囲まれちゃってるんだから限定空間には違いありませんが、
けっこうな広さですね。
でも文明から隔絶された場所を舞台にするってのは有りですね。
同時撮影された「ドクター・ブッチャー」も当然同様の設定。

 

「ゾンビ4」(旧題「人喰地獄 ゾンビ復活」)
ジャングルの奥。
これも「サンゲリア」に近い。

 

「死霊のはらわた」
森の奥のまた奥の小屋の中。
そこへ行くには吊り橋を渡らねばならず、
邪悪な力によって橋は壊され、
尚かつ森の植物は生き物のように襲いかかってくるので、
一晩小屋の中で戦うほかありません。

 

「デモンズ」
映画館。
劇場側が悪意を持って出入り口を完全に封鎖。
実際に本作を鑑賞中の観客は劇中とほぼ同じ空間にいるので、
妙な臨場感を味わえます。

 

「デモンズ2」
セキュリティで封鎖されたマンション内。

 

「シーバース」
全体が集合住宅となっている島。

 

「ボーンヤード」
警察の死体安置施設の地下フロア。
エレベーターの故障で脱出不能に。

 

「スローター 死霊の生贄」
広い洋館の中。
魔女の邪悪な力により扉に触れると大地震のように家が大揺れ。


※ 微妙な例
「悪霊たちの館」
広い洋館の中。
門が閉まり、塀が高い。なので出られない?

 

※ 完全な失敗例
「ザ・デイシャッフル 死霊の群れ」
ラブホテル。
別に閉じ込められてるわけでもなく、
出入りも外への連絡も余裕で可能。

 

ちなみに上の方のスチールは私の作品ですが、
ゾンビの超能力で扉、窓ともに開かなくなります。
これにより、逃げるばかりでなく、
戦って敵を倒さなければならない状況に。

ただこの作品のシナリオを書いた頃は、
まだ携帯電話が本格的に普及してなかったんですね。
なので誰も携帯で助けを呼ぼうとしません。

 

この携帯の便利さはドラマを盛り上げるのに以外と邪魔です。
「東京ラブストーリー」で鈴木保奈美が、
連絡の行き違いで何度も何度も待ち合わせをすっぽかされ可愛そう!

なんて状況はもう時代遅れになっちゃいました。

 

限定ゾンビ空間を創造する際には、
確実に圏外になるような状況を設定しなきゃいけませんね。

 

 

 

 

 

 


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