悪霊の巣窟 狂死曲13番 | 地獄のゾンビ劇場 ~ZOMBIE THEATER~

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「地獄の血みどろマッスルビルダー」監督・深沢真一によるホラー映画雑学&雑談ブログ!

「悪霊の巣窟 狂死曲13番」

(GALLERY OF HORROR)

(1967年 アメリカ 90分)


悪霊の巣窟 狂死曲13番(半分)

 

5話構成のオムニバス。
広い意味で甦った死者を扱ったお話が3本。
他に殺人鬼ものが1本。
ドラキュラものが1本。
うち、もろにゾンビものなのは1本、第3話だけ。

 

第3話「生き返った死者の復讐」


新薬を研究中の科学者が、
自分の妻と友人に殺されます。
しかし新薬の力で心肺と脳の機能を保ち続けていた科学者は、
執事によって棺桶から助け出され、
腐れ果てた姿で妻と友人に襲いかかります。

 

元ネタはポオの「早すぎた埋葬」でしょう。
ゾンビが棺桶から助け出される場面で始まり、
執事に馬車で連れ帰られる間、
ゾンビの回想という形でいきさつが語られます。
あとは我が家に帰還したゾンビが、
妻とその浮気相手に復讐します。

 

殺害の直接描写は一切無し。
ゾンビの見た目でカメラが迫って行くと、
相手が「うわー!」とか言って、画面が赤くなるだけ。
ただ、ゾンビメイクはなかなかの出来映え。
腐りきってちょっとミイラ化したぐらいの絶妙な熟し加減です。
見るべき所はそこのみ。

 

ついでに他のお話も簡単にご紹介。

 

第1話「魔女時計」


古い屋敷に越して来た夫婦が、地下室にあった古時計を動かすと、
変なオジサンが訪ねてきます。
実は地下に処刑された魔女と仲間達が埋められいて、
その1人が時計の魔力で甦ったのでした。
オジサンは奥さんをたぶらかそうとしますが、
旦那さんが時計を壊すと部屋は炎に包まれます。

 

登場人物4人、部屋と地下のセットだけで簡単に撮影。
コントのようなスケールの小ささ。
ラストの展開がよく判りません?
いきなり映像に炎が合成され、すぐ火事の資料映像になっちゃうので、
結局何が起こったのかサッパリ意味不明。

 

第2話「キング・バンパイヤ」


首を刺して人を殺す連続殺人犯を追う刑事達のお話。
容疑者が現場近くの住民にリンチで殺されたり、
まあ、なんやかんやありまして、結局事件は未解決?

と思いきや・・・・・
意外な人物が犯人、しかも吸血鬼でした。
意外過ぎちゃって絶対に推理不可能。

 

第4話「生命の原動力」


医者と医学生が実験で死体に電気を流してみたらなんと蘇生。
ところがそいつが処刑された凶悪犯で・・・・・

 

第5話「ドラキュラ伯爵」


ブラム・ストーカーの超大作「吸血鬼ドラキュラ」の前半部分を、
なんと15分かそこらの尺で映像化!
主人公ハーカーは村民を先導しドラキュラの囲う女吸血鬼達を処刑。
ドラキュラが襲い掛かろうとすると、

ハーカーは意外な正体を明かします。

 


全体として・・・・・

 

残酷描写などの見せ場は一切無し。
1本1本の作りが簡単過ぎで、全てが呆気無いです。
今の感覚では間違いなく退屈な作品。
ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」
より1年古いだけの1967年製作だと思うと、
当時としてもセンス古過ぎ、刺激無さ過ぎ、かも。
あるいは「ナイト・オブ~」が凄まじ過ぎた、ということか?

オムニバスじゃなく、
第3話のゾンビメイクだけ生かして1本撮った方が良かったのでは?

 

 


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