「首だけ女の恐怖」
（MISTICS IN BALI）
（１９８７年 インドネシア ８６分）
【ネタバレ注意】
妖術で首だけ女に変身した美女が襲い掛かる！
でも正確には首と内臓だけ女。
超珍品！超怪作！
舞台はバリ島。
ヒロインはアメリカから黒魔術の研究に来た美女。
現地で恋仲になった青年に協力を求めると、
「実は知り合いが黒魔術族の女王です」
とのことで、早速アポイント。
深夜、待ち合わせ場所の森に現れたのは、
顔面がいびつに崩れたお婆さん。
何故か常に大爆笑しています。
「恐ろしい。あの笑いは最強黒魔術一派の証しなんだ」と青年。
婆さんは、ヒロインに言います。
「わはは、明日から、わはは、お前を、はは、弟子に、ひひ、してやる」
婆さんは先ず、ヒロインの太ももに呪文を刻みます。
爬虫類のように長く伸びた舌先で書きまが、
ペンで書いた落書きに見えてしまうのは私だけでしょうか？
こんなタトゥーは嫌です。
そして連夜のレッスンがスタート。
相変わらず無意味に大爆笑の婆さん。
真似して笑うヒロイン。
クネクネ踊る婆さん。
真似してクネクネ踊るヒロイン。
笑い踊りながらクルクル回り始める２人。
何とも恐ろしい修行の儀式・・・・・なのだと思います。多分。
で・・・・・
２人そろって豚に変身。２匹でブーブー言います。
また、ある晩は蛇に変身。２匹でニョロニョロします。
ニョロニョロの翌日、突然吐き気をもよおすヒロイン。
青年の目の前で生きたネズミを吐き出します。
「大丈夫？」と青年。
「昨晩、師匠と蛇に変身してご馳走を食べた気がするんだけど・・・・・」
とヒロイン。
「じゃあ、食あたりかなあ？」
と青年。
ネズミ吐いたことを完全にスルーしている２人。
ネズミ生で食ったらあたるでしょ。
半日胃の中で耐えたネズミも立派。
さて婆さんがヒロインを弟子にしたのには、ある魂胆が。
妖術で操り変身させ、人を殺させるつもりだったのです。
夜な夜な首がスッポリ抜け、内臓をぶら下げながら、人を襲うヒロイン。
妊婦の股間から胎児を吸い出したりします。
内臓の量、少な過ぎますね。
ヒロインにその間の記憶は無いようですが、
何かやばいことになってるなあ、と気づいた恋人の青年は、
法力の強いオジサンに相談。
何でもこのまま３人殺すと、
婆さんは不死身の婆さんにバージョンアップしちゃうそうです。
オジサンは首だけ女の胴体の首断面にお線香を立てる、
という斬新な方法で首が元に戻れなくします。
プリンじゃないよ。
そして胴体を埋葬、
婆さんと首だけ女が取り戻しに来るのを待ちます。
ラストはオジサン+青年組ＶＳ婆さん+首だけ組のタッグマッチ。
首だけ女は墓から起き上がった首無し死体と合体！
結果、通常のゾンビに。
そしてオジサンの法力が炸裂。
座禅を組んだままゆっくりと空中に浮き上がり、
３メートル程移動して着地。
凄いです。
普通に歩いた方が速いけど凄いです。
手書きアニメの光線がバリバリ飛び交う法力対決の末、
オジサンは首を切り裂かれ死亡。
青年君絶体絶命！
と思いきや、
死んだはずのオジサンがインドの手品師みたいなコスプレで再登場！
生き返った？
「兄です」
兄でした。兄いたのか。
ここへ来て初登場。
同じ人に見えますが、
やはり弟より兄の方が強いようで、かなり善戦。
この底抜け対決、果たして勝負の行方は？
顔の炎は手描きアニメ。
妖怪のお面被った人が踊るオープニングから
普通じゃない雰囲気がプンプン。
妖術修行や対決の場面では光線や電撃が飛びまくり。
でもそれらは全て手描きのアニメ。
豚や蛇への変身は、ちょっとずつメークしては
オーバーラップで重ねてゆく、という原始的な手法で撮影。
首だけ女の特殊効果も単純。
引きの画ではダミーを糸でぶら下げるだけ。
アップは本人の顔と内臓を背景にはめ込み合成。
ダミーはマネキンのような代物、合成処理も下手クソ。
でもそれがかえって不気味さを醸し出しちゃってます。
主役が途中から化け物になって脇役に成り下がったり、
全体的に何かが狂った作品なんですが、
クセになりそうな妙な面白さがあります。
必殺手描き光線。ジャケットには「最新SFX」とありますが・・・・・
