「呪いの城」
(CASTLE OF EVIL)
(1966年 イギリス 81分)
【ネタバレ注意】
孤島の城に集められた人々を、顔面の焼け爛れた死人が襲います。
孤島に建つ城に、中高年の男女数名が招待されます。
城の主は大金持ちの科学者。
実験中に起きた爆発事故の後遺症で余命いくばくも無い状態。
(顔面の7割ぐらいに酷いケロイド有り)
招待客らは皆、
過去にこの科学者から酷い目に遭わされた人々。
一行が城に到着すると、すでに科学者は死んでおり、
出迎えた家政婦の女が、遺言状を読み上げます。
「あんたらの中に私を殺した犯人がいるので、
そいつを捕まえたら、莫大な遺産は山分けしていっすよ」
招待客は皆一癖も二癖もありそうな面々。
それぞれが科学者を恨んでおり、全員に動機がある。
疑心暗鬼の犯人捜しの始まりです。
なんかアガサ・クリスティとかっぽくなってきましたよ。
と思ったら・・・・・
家政婦が変な装置を使い科学者の死体を蘇らせます。
甦ったゾンビ科学者は、客の一人を絞殺。
こりゃ、家政婦によるゾンビを使った復讐劇?
と思いきや、
何を血迷ったか、ゾンビは家政婦も襲撃。
そして死にかけの家政婦が全真相を暴露。
※ 以下、真相と結末に触れています。
爆発事故を仕組んだ犯人は私です。
でもって皆さんの中に犯人がいる、って科学者に吹き込みました。
財産が欲しかったもんで。
それからあれはゾンビじゃないです。
科学者ソックリの人造人間です。
なんか壊れちゃって私まで襲われちゃった。
ガクッ!(死)
いわくありげな連中が集まり、その中に殺人犯がいる。
全員が動機充分。
さあ、犯人捜しだ!
・・・という盛り上がりは、
1人のオバサンの説明ゼリフで一気に消滅。
後に残されたのは、
のろまなゾンビモドキとのゆるい追っかけっこのみ。
でヒロインがモドキに捕まりまして、
主役のオジサンが
たまたま置いてあった巨大なレーザー銃でモドキを狙い撃ち。
まあ、科学者のおうちですから、
レーザー銃の一台や二台、置いてあるものですよね。
とにかくゾンビじゃなくてガッカリ。
焼け爛れて引き攣った顔面のメイク、
1966年当時としては、結構グロだし、
家政婦はゾンビ製造で有名なブードゥー教の信者。
ゾンビってことにしちゃえば良かったのに。
ドラマの大部分が城のセットの中で進行。
古い作品なので、スプラッター描写は皆無。
上映時間も短くお手軽な印象。
ゾンビものというより、
フランケンシュタインものの線を狙ったのでしょう。
ちなみに日本版ビデオソフトのパッケージには、
「生まれつき超能力を持った婦人が、その力で死者を甦らせる」
なんて書いてありまして大嘘つきです。