ダリオ・アルジェント監督「シャドー」の脳天カチ割りシーン。
斧が力強く刺さるその瞬間をモロ見せてくれます。
劇中の重要な見せ場です。
一瞬なので、
初見時は精巧なダミーヘッドに斧を突き立てたのかと思いました。
その後ビデオで再見し、
凄い仕掛けを使わなくても、
衝撃的な描写を演出することは可能であることを学びました。
皆さんお気付きでしょうが、
方法は安全なダミー凶器と映像の逆転です。
頭の形に合わせてくり抜いた安全な凶器を、
役者さんに装着。
それを勢い良く引っこ抜いた映像を逆転しただけです。
役者さんは刺さった後の表情から始め、
抜いた瞬間に表情も逆転演技。
フィルム撮りだと、
早く動く物はブレて写るので、
刃の凹みも分かりません。
思い切り役者さんの頭に叩き付けて正転でも良いけど、
痛くて危ないし、
一発で良い位置に凹みがハマるとは限らないですからね。
この安全な凶器を、
フレキシブル・プロップと言います。
まあ、英語にしただけですが。
「ゾンビ」や「13日の金曜日」の特殊メイクマン、
トム・サヴィーニが好んで使った手法。
「13日の金曜日 完結編」に、
同じ方法で撮った画が複数あります。
次のカットで、この刃の裏側に這わせたチューブから血を流すと、
物凄くリアルな残酷描写の出来上がりです。
まあ、正直言うと、
ダミーヘッドに実際に刃を叩き込む方法と比べると、
若干、サクッと軽めに刃が入る印象はあります。
そこはザクッ!と重厚な効果音でフォローですね。
「地獄の血みどろマッスルビルダー」Tシャツ発売中!