「死霊のえじき」に見る人体の強度
(※記事内容ちょっと修正しました)
名作「ゾンビ」に続く、
ロメロ御大の元祖ゾンビ・シリーズ第3弾「死霊のえじき」。
軍の地下施設を舞台に、
僅かに生き残った人々の絶望的な日々を描いた秀作。
見所はロメロ作品らしい重厚な人間ドラマと、もう一つ、
トム・サビーニが存分に腕を振るった、
ちょいやり過ぎなくらいのゾンビメイクとゴア描写。
「ゾンビ」から大幅に進歩を遂げた特殊メイクを、
たっぷりと見せてくれます。
公開初日に劇場で観賞し、その出血大サービスぶりに感激。
「ゾンビ」より腐敗の進んだゾンビ、
生きたまま(?)解剖されるゾンビのリアル内臓。
派手な着弾、人体破壊などなど、
お腹一杯になって帰りました。
その後、レーザーディスクで繰り返し繰り返し観賞しましたが、
ありゃ?ちょっと気になったことが・・・・・
クライマックス、
なだれ込んで来たゾンビの群れに喰い散らかされる軍人達の身体、
脆過ぎないか?
「ゾンビ」で喰われてた暴走族と比べても、
明らかにやわ過ぎる気がしますよ。
まずは、食いちぎられる指。
良く見ると噛み切られたのではなく、引きちぎられています。
う~ん、切れるかなあ?くわえて引っ張っただけで・・・・・
ちょっとチーズかまぼこっぽいですよ。
次に、引きちぎられる首。
ゾンビ一人が片手で引っこ抜きます。
このゾンビ、生前はプロレスラーか?
極めつけ、胴体を真っ二つにされる悪役ローズ大佐。
下半身を数人がかりで引っ張ると、
ブチブチブチッ、と簡単にちょん切れちゃいます。
やわらか過ぎ!
あんまり力入れて引っ張ってるようには見えないし。
無理でしょ。これは。
これ、サビーニの特殊効果の技術が向上したからなのだと思います。
難しいイメージでも実現可能となり、
実際には不可能な人体破壊が実現しちゃったんじゃないかなあ?
まだ技術的に発展途上だった「ゾンビ」の頃の方が、
無茶出来ない分、リアルだったような気もします。
傷口メイクの中に内蔵を詰めただけ。
リアルに痛々しいです。
すぐに病院へ連れて行けば、まだ助かりそうなレベルなので。
※でもこれもよく見ると、
脂肪と筋肉の存在が無視されてるような気が・・・・・
でも生々しいのでさほど気にならず。
「ブレインデッド」とか、「死霊のしたたり」だったら、
別に気にならないんですけどね。
ロメロの正統派ゾンビ映画の世界においては、
あまり誇張されてない、
リアルな流血描写の方が合ってると思います。